終活は「何歳から始めるべき?」と疑問に思う方は多いでしょう。
終活は何歳から始めなければならないという決まりはありません。
ただし、始める年齢が若いほどメリットが得られます。
実際に2023年1月の調査結果によると、20〜30代の若い人を含めて終活が必要と考えていることが判明しています。
目次
終活は始める年齢が若いほどメリットが得られる4つの理由
終活を始める年齢は、次の4つの理由から「若ければ若いほどよい」といわれています。
- 身辺整理することで快適な生活を送れる
- 突然の病気や不慮の事故への備えになる
- 万一の時に家族に迷惑をかけずに済む
- 豊かな人生設計を考えるきっかけになる
20代や30代の若い人たちが終活に関心を寄せるのには、このようなことにメリットを感じているためといえるでしょう。
終活は『男性72歳・女性75歳』までに終えなければならない
終活を始めるのは定年退職を迎える60代が多いのが実態ですが、高齢になるほど急がなくてはならない理由があるため注意が必要です。
2022年の調査によると、日本人は相変わらず世界一を誇る長寿国ですが、人生では『健康寿命』を意識しておく必要があるのをご存じでしょうか。
性別 | 健康寿命 | 平均寿命 |
男性 | 72.68年 | 81.47年 |
女性 | 75.38年 | 87.57年 |
健康寿命とは、医療や介護に依存することなく、自分自身の力で生活ができる年齢のことをいいます。
つまり、健康寿命を迎えた後は『男性は約9年・女性は約12年』もの期間、医療や介護を頼って余命を全うするのが一般的です。
このような実態を知り、いかにスムーズに準備を行うかが賢い終活の始め方。ぜひ、基本知識として知っておきましょう。
終活で注目される『断捨離(だんしゃり)』のメリットとは?
断捨離とは、インド発祥のヨガの行法が語源といわれています。
- 断:入ってくる要らない物を断つ
- 捨:家にずっとある要らない物を捨てる
- 離:物への執着から離れる
しかし、仏教における出家修行は、まさしく究極の断捨離。悟りを開いたお釈迦様の教えと同じ要素を求められることから、断捨離は仏教由来ともいわれています。
仏教の教えとは、煩悩を無くすことや物事を中立に捉えること、執着から離れること、見返りを求めないことなどです。
つまり、断捨離とは、これらの『お釈迦様の知恵』を学ぶことができる取り組みともいえるでしょう。
終活では、時に専門家へ相談をしながら、難しい問題と向き合わなければならないこともあると思います。しかし、答えを出すのは、あくまでも自分自身。
断捨離によって培った知恵は、きっと終活における幅広い分野でも役立ち、今後の人生のメリットにも繋がるでしょう。
一方で、神道では「禊(みそぎ)」や「祓い(はらい)」といった、『清め』を重んじる思想があります。
キレイ好きといわれる日本人にとって、身辺整理は古くからの伝統・風習でもあることから、断捨離に対する受け入れやすさがあるようです。
断捨離は現役の有名芸能人も始めている
断捨離によって物を持たないミニマリストという志向は、現役の有名芸能人の中でも流行しています。
- 高橋英樹
- 堀江貴文
- 中田敦彦
- 北川景子
- アンミカ
- フワちゃん
断捨離による「無駄を省く」「物に依存しない」という生活スタイルは、人として豊かな人生を過ごせることを物語っているといえるでしょう。
断捨離で失敗しない始め方のコツ6つ
終活における断捨離では、6つのコツがあるため、重要ポイントをご紹介します。
- 身辺整理は身近な場所から始める
- 押入れやクローゼットなどの収納庫は後回しにする
- 物をすべて出して清掃してから収納する
- 種類ごとに在庫数量を把握して必要な物以外は買わない
- ⑤個人情報は適切に処分する
- ⑥捨てる時は譲渡・売却・廃棄に分類する
① 身辺整理は身近な場所から始める
終活での断捨離では、普段よく目に触れる場所のうち、小さなスペースから手掛けることがオススメです。
たとえば、冷蔵庫の中や食器棚、シンク周り、洗面所の収納スペースなど、毎日よく目にする場所の引き出し一つずつでも構いません。
生活の中で目に触れる場所が徐々に片付き身辺整理の効果を感じることは、遣り甲斐や整理整頓の習慣にも繋がります。
終活は人生において有意義な時間を過ごすことが醍醐味。やり遂げることを断捨離の目標として、焦らずに徐々に身辺整理を行ってください。
② 押入れやクローゼットなどの収納庫は後回しにする
身辺整理のうち、要る・要らないの分別で迷いやすいため、押入れやクローゼットの整理整頓は後回しにしましょう。
というのも、アルバムや写真、思い出の品、親や子供の物など、懐かしさや思い入れのある物に触れると、作業の手が止まってしまうからです。
収納庫の整理整頓は、目に触れやすい部屋の身辺整理を済ませてから着手することがオススメです。
③ 物をすべて出して清掃してから収納する
終活では、今後の快適な暮らしのために、永年暮らしてきた家への感謝の気持ちを込めてキレイに清掃することを意識しましょう。
清潔感のある部屋は居心地がよいもの。毎日を明るく爽やかな気持ちで過ごすためには、環境づくりは不可欠です。
物を処分するだけではなく、拭き掃除でホコリをきちんと取り除いてください。
④ 種類ごとに在庫数量を把握して必要な物以外は買わない
買い物をする際、安いからといって無駄遣いをしていては物が増える一方のため、自宅の物の在庫は何がいくつあるかを把握しておくことが大切です。
特にキッチンや洗面所周りは、記憶にない食材や洗剤類のストックが余計にあったりと、物が増えがちになります。
「きちんと収納する」「手前にある物から使う」ことで、無駄遣いをなくす効果も得られるため、陳列による整理整頓を習慣づけましょう。
⑤ 個人情報は適切に処分する
身辺整理をしていると、書類やカード類を発見すると思いますが、個人情報は必ずシュレッダーやハサミで細かく切断してから適切に処分しましょう。
近年は強盗や詐欺などの事件が多発しており、特に高齢者はターゲットになりやすい傾向があるため、個人情報の流出には注意が必要です。
また、個人情報は自分のものだけではなく、手紙やハガキの送り主や、卒業アルバムや名簿など、他人の個人情報にも注意しましょう。
⑥ 捨てる時は譲渡・売却・廃棄に分類する
譲渡 | 生前の形見分けとして子供や孫をはじめ親しい人へ分配する |
売却 | リサイクルショップや買取業者へ査定依頼のうえ売却する |
廃棄 | 粗大ゴミや一般ゴミとして処分する |
終活における断捨離では、死後の遺品整理を省く役割があるため、形見分けできるような品物はぜひ子供や孫、親しい人へ分配することを検討しましょう。
また、家具や家電、着物や服、骨董品、本などは買い取ってもらうことができる場合も多いため、リサイクルショップや買取業者へ査定をしてもらうのがオススメです。
さらに、群馬県では次のように、高齢者などの粗大ゴミの処分を支援してもらえる便利なサービスも実施されているため、有効活用しましょう。
まとめ
終活は、少しでも若いうちに断捨離から始めることをオススメするとともに、断捨離のコツをご紹介しましたが、まとめると次のとおりです。
① 終活は遅くとも健康寿命(男性72歳・女性75歳)を迎える前に完遂する
② 終活は断捨離から始めるとよい
③ 断捨離には6つのコツがある
・身辺整理は身近な場所から始める
・押入れやクローゼットなどの収納庫は後回しにする
・物をすべて出して清掃してから収納する
・種類ごとに在庫数量を把握して必要な物以外は買わない
・個人情報は適切に処分する
・捨てる時は譲渡・売却・廃棄に分類する