葬儀の知恵袋(コラム)
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2021年9月2日(木)
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花祭壇(はなさいだん)・生花祭壇(せいかさいだん)とは~家族葬の祭壇~
花祭壇とは、葬儀の際に使用されるご遺体や遺影が安置されている祭壇を、色とりどりの花で飾ることです。
花祭壇に使用されるお花は、「生花(せいか)」が一般的ですが、地域により造花を使用するところもあります。
祭壇に「生花」を使用することにより「生花祭壇」とも呼ばれます。
今回は主にお花の祭壇のお話をいたします。
●白木祭壇(しらきさいだん)とは?輿(こし)とは?
かつて、葬儀を行う場所の祭壇というと、塗装加工のされていいない白木(葬儀祭壇では塗装された木は使用しません)で作られた「輿(こし)」を高い位置に置いた状態の祭壇が一般的であり、これを「白木祭壇(しらきさいだん)」と呼びます。この時代ではまだお花を置くことはなかったそうです。
もちろん現代でもこの「輿」は広く使われています。
この「輿」とは柩を納める「本輿」を中心に、飾り部分の「半輿」、「飾り輿」は、もともと葬列を組み亡くなった方を運ぶためのもので、平安時代からあったと伝えられています。
後に葬列自体が減っていく事によって、この名残が、葬儀祭壇には白木でできた「輿」(白木祭壇)を置くことになったのです。
その後の現代では、時代と共に「輿」を使用しない祭壇が増えてきました。
ベルセレモニーでも一部ホールで白木祭壇が使用されております。
●花祭壇・生花祭壇(せいかさいだん)とは
葬儀に使用する現代の「祭壇」は、一般的に「ひな壇」があり、「輿(こし)」がある場合は上部に置かれます。また、仏教式の場合では、その最上部に「本尊」が置かれ、その下には「遺影写真」などが置かれます。
そして、その周りにはお花が置かれることにより、花祭壇(はなさいだん)・生花祭壇(せいかさいだん)と呼ばれるようになります。
・花祭壇と生花祭壇
葬儀祭壇で使用するお花は、「生花(せいか)」が一般的ですが、地域により造花を使用するところもあります。
祭壇に「生花」を使用することにより「生花祭壇」または「花祭壇」とも呼ばれます。
かつて花祭壇というと「輿」がなく、純粋にお花のみの祭壇の事をさす場合がほとんどでしたが、現在では「輿」があってもお花(生花)が多く飾られていれば「花祭壇」や「生花祭壇」と呼ばれる場合がほとんどです。ただし、名称に関しては、地域差が強く、お花や輿(こし)など備品の飾り方、呼び方が異なる場合が多くあります。
●葬儀とお花
ご存知の通りお花は、お葬式だけではなく、お祝いや鑑賞用としても馴染みが深いですよね。
古くからお葬式とお花は密接な関係があるとされていますし、世界を見ても民族や宗教問わずお花は葬儀に多く使われています。
日本のお葬式では、古くから特に白い「菊」が多く使われてきました。
菊の花に関しては諸説ありますが、祭壇に菊の花の使用や、ご遺体が入った柩に菊を添える習慣は、とても理にかなっているとされています。菊の花には「グルタチオン」という成分が含まれていて、これには殺菌効果があり、腐敗を防ぐ効果があるとされています。また、菊の花は、遺体の腐敗を防ぐ効果や菊の花の匂いは遺体の臭いをやわらげる効果も兼ね備わっています。
これらも先人たちの知恵のひとつだったのでしょうね。
葬儀の祭壇でのお花は、白い「菊」をメインに黄色い「菊」や洋花を織り交ぜる祭壇が一般的ですが、近年は洋風のホールや祭壇も増え、それに合わせて菊の花は少量または、使用せずに「洋花」のみを使用した花祭壇も増えつつあります。
●花祭壇の選び方と費用
・祭壇の大きさでお花の量が変わります
祭壇の大きさは、「会場の大きさによって変わる」といっても言い過ぎではないでしょう。
そのため、大きな会場には大きな祭壇、小さな会場には小さな祭壇。というようにその会場に合うバランスの取れた祭壇が必然的に使われるのです。
お花の量は、その祭壇の大きさに合った適正な量というものがあります。もちろん適正な量を基準に「少なめ・多め」という事もできますが、大きい祭壇にはたくさんのお花が使われる事になり、費用もその分多くかかる事になるので、使用する会場の大きさ選びはとても重要です。
とはいえ、参列者の人数と会場の広さのバランスはとても重要です。特にコロナ禍の昨今、(2021年8月現在)密にならいない配慮のほか、参列者が多い場合は、迎える側として不便にならないような広さの会場を検討するなどが必要です。
・花祭壇・生花祭壇の選び方
祭壇にお花を飾るときにご遺族の方はどのような視点で決めているのでしょうか?
実際にご遺族が希望された理由を一部ご紹介いたします。
*お花が大好きだったから、たくさんのお花を祭壇に飾ってほしい
*女性らしいピンク系の明るい色でお花を飾ってほしい
*お父さんは、いつもブルー系のシャツを来ていたからブルー系のお花を中心に
*予算が限られているのでお花は少なめでお願いします
*家族の一人が、ユリの花が苦手なので使わないでほしい
※葬儀社により、お花やお花の色などを指定できない場合があります。
お花の色の他に、特定のお花は季節により難しい場合もありますが、お花の種類の指定など可能な場合があるので希望を葬儀社に伝えてみましょう。
・花祭壇を依頼するときの希望は聞いてもらえる?
ご遺族として、故人のイメージを特定のお花やお花の色で祭壇のイメージを近づける事は大切だと私は考えます。イメージが湧かない場合は、女性っぽい色、男性っぽい色などでも構いませんので、希望を葬儀社に伝えましょう。
豪華にされたい場合は、お花の量を多くしたり、胡蝶蘭のような高価なお花を使用したりする事もできますし、予算が限られる場合はお花の量を少な目にすることも可能です。
葬儀予算の範囲も考えて、しっかりと葬儀社と打ち合わせを行う事をおすすめします。
また、ご遺族が特定のお花にアレルギーがある場合や苦手な場合も遠慮なく伝えてみるよいでしょう。
葬儀社によっては希望を伝えても難しい場合もあるので注意が必要です。ベルセレモニーでは可能な限りご遺族の意向に沿えるように努力いたしますので遠慮なくご相談ください。
まとめ
・かつて輿(こし)は、遺体を納めるもので、火葬場またはお墓に葬列を組んで運ぶために使用されました。その後、その習慣が減っていく事になり葬儀場所の祭壇に輿をのせるかたちに変化していきました。
・祭壇にお花を飾る事は近代になってからです。それらを花祭壇・生花祭壇と呼びますが、名称や形状は地域によって大きく異なります。
・葬儀の祭壇に使用するお花の量はもちろん、色やお花の種類や色などの希望が叶う場合もあるので、葬儀社に伝えてみましょう。
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