葬儀の知恵袋(コラム)
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2020年3月31日(火)
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葬儀の後に位牌は作るべき?~位牌の基礎知識 ① ~
葬儀後の位牌は作るべきかどうか悩む方もいらっしゃるかと思います。
実は、葬儀後の位牌を作るべきかどうかというのは、本人が必要としているか否かです。
ただし、位牌は遺族にとって故人そのものとされ、故人の魂が宿る依り代として仏壇に収め供養の対象となります。
また、浄土真宗では位牌ではなく過去帳を仏壇に飾ります。
●位牌とは
位牌は僧侶が中国より日本に伝え、江戸時代に庶民の間で広く使われるようになったと言われています。
位牌表面には戒名や法号など(宗派によって意味や呼び方が異なる)が書かれ、亡くなった日付(命日)が入りますが、寺院によっては命日を表面に書かない場合もあります。
裏面には俗名(生前時の氏名)と年齢が入ります。
位牌は遺族にとって故人そのものとされ、故人の魂が宿る依り代として仏壇に収め供養の対象となります。
それでは葬儀より使われる位牌の種類を見てみましょう。
・白木位牌(内位牌)・野位牌
白木位牌は、葬儀用として用意される位牌のことです。
昔は人が亡くなった直後にその方のために白木の木材を位牌の形に削り出し、僧侶が墨で戒名などを書き入れていました。
現代も同じく白木位牌は使用されており、葬儀社が白木の位牌を用意して僧侶に墨で記入していただいて葬儀に使用します。
「野位牌」とは、白木位牌と同様(白木位牌より小さくする場合があります)に作られ、お墓に名前が彫られるまでの間お墓に置いておいたり棺と一緒に火葬したりと地域や寺院によって使用の有無や用途が異なります。
・本位牌
黒い光沢がある位牌に金文字で書かれた位牌はよく目にすると思います。これは漆塗りや合成塗料で塗装され、文字や縁に金箔なども使用されることもあります。
また、紫檀、黒檀製の位牌は木目や木の色を生かした唐木位牌というものもあります。
●白木の位牌がある理由
葬儀に使われる白木位牌はなぜあるのでしょうか。
・白木の位牌は葬儀用
白木の位牌は、葬儀から49日までとされています。そのため葬儀が終わったら新たに位牌を作ることになります。仏壇・仏具店で購入した場合でも二週間程度の時間がかかり、49日が明けたときには本位牌へ移行していることが望ましいです。それまでには余裕をもって本位牌を依頼するようにしましょう。
・なぜ白木の位牌を使うのか
日本では仏教が入ってくる以前より神道の考えが根付いていました。「死」は穢れを意味しており、その死が訪れる前の準備はいけないものとされてきました。(仏教の考えではありません)
そのため、時間のかかる「塗り」で加工された位牌や経机が葬儀の時にあるという事は「あらかじめ準備していた。」という事になるからです。
通常葬儀が終わり49日までの間は塗りのものは基本使わないのです。
現代でも葬儀で使う位牌をはじめ骨箱や枕飾り、経机は全て白木で塗装や装飾が施されておりません。
●本位牌が必要の無い宗派
これまで本位牌のご紹介をしてまいりましたが、葬儀の時に白木位牌を使っていても浄土真宗系(一部の宗派を除く)は「本位牌を作ることをすすめません。」という立場です。
地域によっては本位牌を作るところもあるようですが、浄土真宗系は本位牌を使わず「法名軸」といわれる掛け軸を使用します。先祖代々位牌を作っている場合は一度菩提寺に訪ねてみることをおすすめします。
●本位牌の大きさ
・先祖より大きい位牌はNG
本位牌を購入する際の注意点として大きさ(高さ)はとても重要です。
既に自宅に本位牌がある場合、新しい位牌はその位牌より高さを同じ大きさまたは小さくするものとされています。
なぜかと言うと、既に自宅にある位牌は先に亡くなられたご先祖さまの位牌なので、そのご先祖さまを敬うためにも新しい位牌は並べた際に高さが高くならないことをおすすめします。
位牌の大きさの単位は、「寸」で表しますが、メーカーや種類によって微妙に異なる場合があるので、購入時は既存の位牌寸法を正確に計ることを強くおすすめします。
・先祖の位牌とのカタチの見方
高さ同様に位牌のカタチも先祖とどのように違うか確認します。
素材によっては価格が推測しづらい場合もありますが、
※金箔が多くつかわれているか、文字が彫ってあるか
※台座に「蓮」が彫られているか
※凝った造りか
である程度見分けることができます。わからない場合は購入時に聞いてみるとよいでしょう。
・先祖といっても例外はあります
先祖より位牌を大きくしたり高価にしたりしてはならないのですが、妻や子どもが先に亡くなり、その後に夫(家長)が亡くなった家族内の場合は例外です。後から亡くなった夫(家長)の位牌は大きく、高価になっても構わないとされています。
●本位牌の価格
本位牌の金額は低額から高額まで様々です。安いものは通販で戒名入れも含めて1万円以下でも購入が可能です。
海外製は安価で、国内産は高価な場合がほとんどです。
安いものの中には中がプラスチックでできていたり、塗りがとても雑だったり、ひどいものは重ね塗りの回数が極端に少ないため途中で剥げてしまったという事もあるようです。
しっかりとした位牌はおおよそ2万円以上と考えておいたほうが良いでしょう。
また、高価な位牌では、国産 輪島塗で10万、20万以上というものもあります。
位牌とは冒頭にお話しした通り故人様の魂が宿り、数年で買い換えるものではなく、代々受け継がれる一生以上の買い物です。仏壇仏具店などで実際にみて専門家のアドバイスを受けながら十分検討したうえで、できるだけ良質な位牌を購入する事をおすすめします。
また、初めて仏壇と位牌をそろえる際にサイズが小さく安価な位牌を選んでしまうと、次の位牌を購入する際に選択肢が非常に狭くなってしまうので特に注意が必要です。
●魂入れ
位牌を注文して手元に位牌が届いたときはまだ故人の魂が入っていない「戒名が書かれた木」です。
葬儀で使用した白木位牌と新しい本位牌を並べて、菩提寺の僧侶に「魂入れ」(開眼供養)をしていただいて正式な本位牌となります。つまり、白木位牌から本位牌へと魂を移すということです。魂入れが終わると同時に今度は白木位牌が「戒名が書かれた木」となります。
魂入れは49日のお参りの際に行われることが多いようです。
●白木位牌の処分
「魂入れ」(開眼供養)が終わった後に白木位牌はどのようにするべきでしょうか。
「戒名が書かれた木」になってしまったとはいえゴミとして処分するわけにもまいりません。
菩提寺の僧侶にお願いをして処分していただくか、できない場合は民間の信頼のおける専門の業者に供養の後に焼却する「お焚きあげ」をしてもらいましょう。その場合の費用は3千円~1万円ほどです。不明な場合はベルセレモニーへお問い合わせください。定期的に供養イベントを開催しております。
まとめ
・位牌は故人の魂が宿る依り代として仏壇に収め供養の対象となります。
・位牌の種類は葬儀の際に仮の位牌として使用する【白木位牌】、自宅の仏壇に収める【本位牌】があります。
・先祖より大きくしないようにします。また、先祖の位牌が無く新たに仏壇と位牌をそろえる場合は、今後の購入の事を考えてサイズはなるべく大きめで、価格帯は中間以上の位牌をおすすめします。
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